こどもの日、端午の節句には内飾りに鎧兜やお人形、外飾りにこいのぼりをかざるのが一般的ですね。
晴れた空に鯉のぼりが泳いでいる様はすがすがしく爽快なものですが、どうして魚である鯉を空に泳がせるようになったのでしょうか?また、魚は魚でも、おめでたい「鯛」や、スタミナあふれる泳ぎで有名な「マグロ」ではなく「鯉」なのでしょうか?
こいのぼりの始まりは江戸時代です。
江戸時代に武家では男児の立身出世を祈って家紋のついた旗やのぼりを飾りました。(写真4番目)
一方、商人の家ではのぼりの代わりに「黄表紙」の絵を描いた五色の吹流しを飾り、
やがて鯉が「竜門」という滝を登ると竜になるという中国の古い伝説になぞらえて吹流しに鯉の絵を描くようになったといわれています。
「竜門」の故事は有名なのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが
むかし、黄河の中流に竜門と呼ばれる激流の連なる滝があり、そこを登りきった魚は竜になるといわれていました。
多くの魚が登ろうと試みたが鯉のみが登り切り、竜になることができたというものです。
そこから鯉の滝登りが立身出世とされるようになり、立身出世の関門を○○の登竜門というようになったということです。
もともと、鯉は清流以外の池や沼でも生きられることから、
生命力の強い生き物とされました。わが子に逆流にも負けず関門を突破し立派に出世してほしいという親の願いが込められているのですね。
始めは黒の真鯉だけでしたが明治時代から緋鯉が登場しました。
童謡の「大きい真鯉はお父さん、小さい緋鯉は子供たち~」という形になったのはこの頃からです。
さらに昭和にはいると子鯉(青)が追加されました。
現代ではさらに緑やピンクの子鯉が登場しています。
あかい緋鯉をお母さんに見立てたり
子鯉を性別問わず、子供の数あげるご家庭も少なくないようです。
住宅事情に合わせてさまざまなサイズのこいのぼりがありますから
皆様のご家庭でも、子供や家族の立身出世を願ってこいのぼりをあげてはいかがでしょうか?