お道具や装飾をご紹介します

○桜橘の由来

雛飾りにセットされている桜橘は、京都御所にある「左近の桜」「右近の橘」を模しているとされています。
この場合の右左は男雛女雛から見た位置なので、左近の桜が向かっ右、右近の橘が向かって左です。
さくらたちばな京都御所の紫宸殿は北を背にして南向きで、
天皇の左(東)を守る近衛兵を「左近衛/四位 の身分」、
西を守る近衛兵を「右近衛/五位の身分」と呼び、
向かって右が左近衛(おじいさん)、向かって左が右近衛(若者)となり、
これにならって左近の桜、右近の橘と呼ぶそうです。

○お道具

雛飾りのお道具は、時代によって様々に変化しています。

主に大名家や将軍家のお嫁入りの道具などを模して作られていたようです。
現在の七段飾りのお道具は、タンス・長持・鏡台・針箱・駕篭・重箱、牛車などですが、
茨城県立歴史館所蔵の一橋徳川家伝来のお雛様のお道具などは、
東明宮直子が持参した婚礼調度をそっくり模した大揃えのみごとな雛道具で、
貝桶、厨子棚、黒棚、書棚のほか、化粧道具、香道具、文房具、遊戯具、手水道具、
さらには膳部一式、道中揃え(籠・長持・箪笥等)にいたるまで、総数110件以上に及ぶそうです。
*興味のある方は、茨城県立歴史館へどうぞ
http://www.edu.pref.ibaraki.jp/rekishi/

この他にも福岡県柳川の立花家に伝わる屋敷雛は布団・風呂桶・台所道具・
将棋台と駒・時計台・衣桁に掛かった縮緬の友禅と振り袖など、
現在のものとはかなり違っていて、一つ一つに由来があるというより、
それぞれの地方や土地土地の大名家の嫁入り道具などを模してオリジナリティあふれるお道具が作られていたようです。

○お道具の伝統的紋様「唐草」

現在お雛様のお道具には、様々な紋様の蒔絵が施されていますが、
もっともオーソドックスなのは唐草紋様です。風雨や寒さに強く、
根をいっぱいにはる繁殖力の強い唐草は、生命力の象徴であり、
また唐草紋様はフラクタルで終わりのないことから永遠の繁栄も象徴している縁起の良い柄だそうです。


唐草のお道具こちらの雛人形の貝桶は「本金弥生唐草」です。

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